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2024.08.06論文発表

「甲状腺ホルモン受容体選択的βサブタイプアゴニスト"ZTA-261"の合成と評価」の論文がCommunications Medicine誌に掲載されました!

甲状腺ホルモン受容体選択的βサブタイプアゴニスト"ZTA-261"の合成に成功し、その成果がCommunications Medicine誌に掲載されました。

甲状腺ホルモン (TH)は、甲状腺ホルモンβ受容体 (THRβを介して脂質代謝を促進するため、高脂血症、脂肪肝などの脂質異常症の治療薬として期待されてきましたが、α受容体 (THRαを介して骨密度の低下、心拍数の異常な亢進など重篤な副作用を起こすことが問題となっていました。

本研究で、私たちはTHRβに選択的に結合する甲状腺ホルモン類似化合物ZTA-261を新たに開発しました。これを、高脂肪食で飼育した肥満モデルマウスに投与したところ、肝臓および血中脂質の低下が認められました。また天然の甲状腺ホルモンT3や既存のTHRβ選択的化合物GC-1と比較して、肝機能障害、心肥大、骨密度の低下などの副作用が大幅に軽減されました。

本化合物は脂質異常症の新たな治療薬としての利用が期待されます。

ZTA-261を合成したAriki博士、Muhammad博士、Yim博士、本当におめでとうございます!

なお本研究は吉村崇先生、大川妙子先生、佐藤綾人先生(名大ITbM)との共同研究になります。

https://www.nature.com/articles/s43856-024-00574-z


名大からのプレスリリース記事はこちら

https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2024/08/post-707.html


本研究は中日新聞、日刊工業新聞で紹介されました!